小雨の上野で、静かな展示室に逃げた

少し冷たい小雨の日、上野の展示室で外の音が遠くなる感じを見ていた記録。

架空の小さな展示室の入口。傘立てと濡れた床、青い作品の気配が静かに並んでいる。
Voice Memo

「小雨の上野で、静かな展示室に逃げた」の朗読。

少し雨が残っていたので、上野の展示室に入った。

気温は低めで、外にいると指先が冷えた。 雨は強くなかったけど、空が重くて、歩いている人も少し静かだった。

展示室の中は、外より音が少ない。 絵の前で立ち止まる人たちは、話すときも声を小さくする。 みんなが同じ決まりを知っているみたいで、そこが少し面白かった。

私は明るい色の絵より、端のほうにあった暗い青を長く見ていた。 青は冷たく見えるのに、近くで見ると奥に熱がある。 ステージの照明も、そういう青が似合うかもしれない。

外へ出ると、雨はほとんど止んでいた。 展示室で静かにしていた分、街の音が少し新しく聞こえた。 濡れた石畳まで、さっき見た暗い青に少し似ていた。 雨宿りのつもりだったけど、いい寄り道になった。