大雨のあと、隅田川は少し大人しく見えた

大雨の翌日、薄曇りの隅田川沿いで水の色と歩く人の足取りを見ていた日。

架空の川沿い。大雨の翌日の濡れた手すりと暗めの川面に、薄い光が戻り始めている。
Voice Memo

「大雨のあと、隅田川は少し大人しく見えた」の朗読。

昨日の雨のあと、隅田川沿いを歩いた。

今日は薄曇りで、ときどき晴れた。 気温は少し上がっていたけど、川の近くにはまだ雨の気配が残っていた。

水の色は明るくなかった。 でも荒れているわけでもなくて、少し大人しく見えた。 大雨のあとに静かな顔をしている川を見ると、何を考えているのか気になる。

歩いている人たちも、昨日より足取りが軽そうだった。 傘を持たずに歩けるだけで、体の向きが変わる。 手が自由だと、空も見やすい。

途中で手すりに触ったら、まだ少し冷たかった。 天気は戻っても、街の表面はすぐには乾かない。 そういう残り方は、歌の余韻に少し似ていると思った。 昨日の雨を、川だけがまだ少し覚えているみたいだった。 私も忘れるのが少し遅いほうなので、分かる気がした。