雨上がりの川は、戻ってくる明るさが遅い
雨が上がったあとの隅田川で、晴れた空より遅れて明るくなる川面を見ていた日。
Voice Memo
「雨上がりの川は、戻ってくる明るさが遅い」の朗読。
雨上がりの隅田川沿いへ行った。
雨は止んでいたけど、空はまだすっきりしていなかった。 川の色も少し暗くて、明るさが戻る途中みたいだった。
歩道には水たまりが残っていた。 人が通るたびに、少しだけ水面が揺れる。 その揺れに空の色が混ざっていて、見ていると静かな気持ちになった。
晴れた日みたいに分かりやすくきれいではなかった。 でも、戻ってくる明るさを待っている感じは好きだった。 何かが急に良くなるより、少しずつ戻るほうが安心することもある。
途中で立ち止まって、川の向こうを見た。 風は冷たかったけど、雨の匂いは少し薄くなっていた。
派手な景色ではなかったけど、行ってよかった。 明るくなる途中の街は、まだ眠そうで、そこが少し好きだった。