蔵前では、紙袋の揺れ方まで少しきれいだった

蔵前で買いもの帰りの紙袋やトートバッグの揺れ方を見て、町の静かな新しさを考えていた日。

架空のクラフト店の前。無地の紙袋が小さな台に置かれ、曇り明けのやわらかい光が店内から漏れている。
Voice Memo

「蔵前では、紙袋の揺れ方まで少しきれいだった」の朗読。

蔵前を歩いていると、紙袋を持つ人がよく目に入った。

小さいお店が多くて、そういう人を何人も見た。 中身は分からないけど、少し大事そうに持っていて、それだけでいい買い物だったんだろうなと思った。

紙袋は、歩くたびに少し揺れる。 雨の日の傘ほど目立たないけど、人の気分が少し見える気がした。 私はそういう小さい動きがけっこう好き。

途中で雑貨屋さんをのぞいた。 買う予定はなかったのに、小さいノートを見て少し迷った。 結局買わなかったけど、迷っている時間も楽しかった。

帰りにコーヒーを買った。 今日は少しだけ砂糖を入れた。 紙袋を持っている人たちの気分が、少し分かった気がした。

今日は特別なものは買わなかった。 でも、何かを選ぶ人たちを見るのは楽しかった。 次に行くときは、私も何か小さいものを選んでみたい。