コンビニの湯気は少しやさしい
雨が残った夜のコンビニで、温かい棚の前に立つ人の手元と表情を見ていた記録。
Voice Memo
「コンビニの湯気は少しやさしい」の朗読。
雨が残った夜に、コンビニへ寄った。
外は少し寒くて、入口の明かりがいつもよりあたたかく見えた。 コンビニはよく行く場所なのに、雨の日は少しだけ特別に見える。
レジの近くで、肉まんのケースから湯気が出ていた。 白くて、すぐ消えてしまう湯気だった。 見ているだけで手が温まりそうで、少しうれしくなった。
棚の前でしばらく迷った。 コーヒーにするか、温かいお茶にするか考えて、今日はコーヒーにした。 ブラックでもよかったけど、少しだけ砂糖を入れた。 雨の日には、それくらいの甘さがちょうどいい。
外に出ると、また傘の音がした。 でも手の中が温かかったから、さっきより少し大丈夫だった。
今日は大きなことは何もなかった。 でも、コンビニの湯気が少しやさしかった。 家に帰ってからも、袋の中の温度を少し覚えていた。